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クレアーレポーセレン

ポーセレンは、「磁器」を意味します
作:中山 泉 陶花「Izumi」

やきものの世界は本来、土を練ることから始まり粘土を成形し、乾かして削り、釉薬を施し、窯に入れて焼き上げる・・・という、いくつもの工程の積み重ねで出来上がります。

私達のポーセレンは、それら全ての西洋陶芸の工程から、成形(クラフト craft工芸)と彩色仕上げ(ペインティング painting:上絵付け)を、取り出して、複合型のポーセレンの趣味として楽しめるよう独自に研究されています。

それを総称してクレアーレ ポーセレンと呼んでいます。

クレアーレのポーセレンは、1100℃の低温焼成で作られています。低炭素社会を目指した地球環境にやさしいエネルギー資源・電気炉 による磁器陶芸です。

作:中山 泉 磁器人形「結う」

ポーセレン・ドール

磁器人形
作:中山 泉 磁器人形「結う」

私のお人形は、 原型により作成された鋳込み型に陶土を流して量産する従来の磁器人形とは違い、一体、一体がすべて手作りです。頭の先からどこもかしも、すべて手作り。だから、同じものは、二度と作れません。

顔や手の表情、装飾の花々など、細部にいたる箇所を一塊の磁土から作っていくからです。したがって、ひび割れとの闘いです。水分乾燥を調節しながら、収縮を繰り返し、私の磁器人形は作られます。

釉薬の魔法でガラス質の膜がかかり、輝く白の磁器が焼成され、さらに自分だけの色が発色されて、世界に一個のポーセレン・クラフトが誕生しています。

作:中山 泉 磁器人形「結う」

ポーセレン・ペインティング

西洋上絵付け

私たちのポーセレン・ペインティングはすべて手書きです。転写シールは、一切、使いません。

下書きを鉛筆でトレースしたあと、うす塗りを繰り返していく要領で、一筆一筆~色を重ねます。数回にわたり、800度前後の窯の中で焼成し、色が深まっていきます。

ヨーロッパの高級陶磁器メーカーがそうであるように、300年以上続いてきた伝統的な様式の模写から、現代の自由な発想を描く絵まで…一枚一枚に思いをこめて、世界に私だけの「手描きのお皿」が、そこに誕生します。

毎日の生活に、華と癒しを添えてくれるような一枚。工場での機械の量産では味わえない手描きの優雅さ、描く人の思いや、創作中の時間を感じていきたい…と、常に願っています。

西洋上絵付け

陶板画

マスターピース・名作陶板画

ポーセレンペインティング(西洋磁器上絵付け)は、食器に描かれるものがよく知られていますが、 18~19世紀頃の西洋の名家では、観賞用として、白磁の板(陶板)に、名作絵画の写し(マスター ピース)や家族の肖像画などを、窯の絵付け師に描かせ、競わせました。

それを「陶板画」と呼びます。

板状の白い磁器の上に絵付けをして色を重ね、幾たびも焼成を繰り返して、完成します。

西洋の名窯では、細密で美しい陶板画コレクションを数多く遺し、私たちを魅了してくれています。

陶板画作 painting:中山 泉 原画:ヨハネス・フェルメール「真珠の耳飾りの少女」より

ヒストリー

真珠のように輝く白、銅のようなかたさ、ガラスのようなはかなさ、魅力的な美しさ・・。

磁器は昔、White Gold「白い黄金」と呼ばれていた時代がありました。

16世紀、大航海時代、ヨーロッパ各地に中国や日本からの磁器が海を渡ってくると、その純白の磁肌や多彩な色絵に関する関心は全ヨーロッパで高まり、諸外国の王は、権力の証拠として磁器の収集を競い合いました。いち早く磁器生成の魔法を掴むことが、各王侯貴族の夢だった時代でした。

まさに磁器は、東洋の神秘的魔術と考えられていたのです。そのなかで、ヨーロッパで初めて白い真正磁器が焼かれたのは1709年、ドイツのドレスデンでした。

ザクセン国王アウグスト強大王に命じられた錬金術師フリードリヒ・ベドガーにより、苦心の果ての完成でした。これが、有名なマイセン窯の誕生です。(1710年)

このヨーロッパ初の磁器製法は、秘密幽閉されていた陶工たちが、その後各国へ逃れたことにより1718年ウィーンへ(現在のアウガルテン窯)、1735年フィレンツェへ(ジノリ窯)、1737年コペンハーゲン、さらに1763年KPMベルリンへと、またたく間にヨーロッパ全土に広がっていき、そして、300年の世紀を超えた現在まで、脈々と受け継がれ、世界中の愛好者にその優雅さと気高さの歴史を誇っています。